日本人の生活が椅子、テーブル式に転化してから、住宅の内部にもドアが多くなった。日本の伝統的な室内建具は、障子にしろ襖にしろ、引き戸であったから、この点に関しても日本の住様式は大きく変化したことになる。玄関の建具がドア忙なった理由はすでに論じたが、中年以上の年齢の人には、玄関はまあ仕方がないにしても室内建具は引き戸の方が良い、と主張する人が少なくなく、それは確かに一理ある考えなのだ。ドアというものは開く時に、開く側にある物を押しのけるようにして空間をよぎっていく。
(参考情報)
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手前にドアを開こうとすると、開いてくるドアの軌跡から身をよけなければならないから、そこに一定の広さのゆとりが必要になる。これに対して、障子や襖は敷居の上を左右に動くだけだから、前後の空間が狭くともさしつかえない。したがって面積の制約が厳しい日本の住宅には現代でも有効な建具と言える。