今の住宅は、柱を見せずに壁で柱を覆う、大壁という造りになっているところが多い。しかも、建物の気密性を重視するために密閉度の高い新建材の壁で柱を両側から覆ってしまう。この密閉度がいつまでも完全ならいいのだが、往々にして壁の中に湿気が入り込む。いったん湿気が入り込むと、新建材は調湿効果が少ないので、なかなか湿気が外に出ていかない。密閉された空間に入った湿気が、柱や上台を腐らせる原因となり、湿気で腐りかけた柱が地震で揺らされるので、本来ならば倒れるはずのない家が倒れていたというのだ。
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壁の中で柱が腐ってしまっては、私たちがコンセプトとしている「丈夫で長持ちで、心地いい家」にはならない。いろいろなところで、いろいろな方に土壁の話を聞いてまわっているうちに、もしかしたら、丈夫で長持ちであるだけでなく、身体にもやさしいという土の壁は、私たちが望んでいたものかもしれないと思うようになった。我が家の建築をTさんにお願いしたのも、土壁の家ではかなりの実績を積んでいる建築家だったということが、大きな要素だったと思う。